税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

vol.3「誘導される偶発」

未来がある程度安定的に予測できた時代においては、それにあわせた論理的な対応計画は、組織の構成メンバーに対し非常に納得性の高いものであり、彼等の行動に統一性をもたせることが可能であり、それゆえに成功の可能性が非常に高いものでした。しかし、めまぐるしく技術が進歩し、予想もできない競争相手が出現する今日においては、確実性の高い未来を描くことはかなり困難になってきています。ところがおもしろいことに、ある成功商品要因を探る研究プロジェクトの調査で大ヒット商品を作った20人ほどのインタビューによると、「まさかこれほど売れるとは思わなかった」という答えが、ほとんどのその事業担当者から返ってきたというのです。成功した商品でさえこの様な状況ですから、現代においては、「未来のニーズはまずよめない。」ととらえたほうが自然なのです。
この様に読めないニーズの時代におけるマーケティング対応は、直接顧客との対話を通じ顧客と共に、俊敏、柔軟、機動的に新しいニーズを創造、発見して行く方法が有効となるでしょう。ニーズが読めないということは、顧客自身も自分がいったい何がほしいのか分からない状態だと考えられます。そういう視点から、企業は顧客と信頼関係を作り、双方向的な対話を通じて両者が納得できる共通の価値を探り当てるしかありません。
そのためには、存在するであろうニーズの仮説立てに基づき、大まかなガイドラインの提示と、そのために顧客に最も近い現場に大幅に権限を委譲する必要が生じてきます。まさに組織が、逆ピラミッド型や、フラット型に移行しているのはその理由によるものです。そしてその時の組織の行動指針は「顧客満足」であり、そのためにあらゆる努力を全従業員が惜しまず費やすこと、であろうかと思います。大塚製薬の「ポカリスエット」や、TOTOのシャンプードレッサーなどの大ヒットは、決してはじめから意図された顧客や、利用場面でなく、思いがけないそれらによって、市場に受け入れられたという事実を我々は認識しなくてはなりません。しつこく顧客を追い続け「誘導される偶発」を発見することが、今のマーケティング担当者に求められる資質なのです。

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2003/09/16

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