税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

vol.24「銀行はけしからん?」

景気の先行に不透明感が強まっている。4〜6月期の実質国内総生産(GDP)は前期比2.9%減で年換算率では11.2%と大幅に減少している。消費税上げを前にした駆け込み需要の反動や、特別減税の廃止などが国内需要を落ち込ませているようである。その結果、同期の民間在庫は1〜3月期よりも1兆円増加し、今後在庫調整によって景気は停滞するであろう。また、消費税上げを含む9 兆円のも上る国民負担増は、国内需要をさらに落ち込ませることになろう。政府のリストラが叫ばれているなかで、財政の出動は期待できず金利も下げられる幅は少なく、景気回復策も出尽くしたといってよい。悲観的すぎるが、見通しは非常に暗いと見たほうがよい。日本リサーチセンタ総合研究所の8月の消費者心理調査によると、4割強の消費者が「今後1年間の消費は横這い。」と答えておりこれを裏図けるものとみてよいだろう。
これらは特に、中小企業経営者にとって重要な意味合いを持つ。資金繰りの問題である。ご承知のとおり東京三菱銀行は9 月の中間決算において、1兆1000億円も上る貸倒損失の計上を決定した。これは、ビッグバンの一環として来年から導入される「金融機関の早期是正措置」をにらんで財務のリストラを進めているのであり、今後銀行の不良債権処理が一層加速するだろう。
そうするとどうなるかというと、いわゆる「貸し渋り」が起こり、信用力の乏しい中小企業は銀行からお金を借りられず、ノンバンクなど高金利の資金調達をせざるをえなくなる。「低金利下の資金難」が進行するのである。不良債権の処理が進めば、それだけ銀行は赤字が発生し、自己資本が減少する。銀行は「BIS基準」といわれる一定の自己資本比率をクリアーしないと、銀行そのものの資金調達が困難になるため、必死にそれをクリアーする策を打つことが予測される。そして、この自己資本比率を維持するために銀行は資産(つまり貸金)を、圧縮せざるを得ない。したがって貸渋りが起こるのである。
その時どうするかであるが、答えは今のうちに手を打っておくということである。そのためにはまず、体力のある銀行の付き合いを濃くすることである。次の手だては、少し後ろ向きになるが、現時点で与信のとおるところは今の内に借入しておくことである。
しかし、これらは根本的な解決策にはならない。最善の解決策は信用力のある会社に生まれ変わることである。そのためには経営者が変わらなければならない。貸渋りが発生するとはいえ銀行は、将来性のある会社には支援してくれるはずである。そして、特に中小企業に対して銀行は、「経営者の資質」を重視するのである。銀行の融資の姿勢にも一部問題はあるが、「銀行が金を貸さないのはけしからん!」とぼやている経営者を見ていると、根本的にこの本質が分かっていないような気がするのは、少し辛口すぎる評価なのだろうか。

2003/09/17

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