税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

vol.23「頭を下げる勇気」

ヤオハンジャパンが18日午後、会社更生法の適用を受け事実上倒産した。かねてから、噂はあったものの「まさか現実のものになるとは!」と感じられた方も少なくなかったと思われる。ヤオハンはダイエー、イトーヨーカドーなどの流通業界における「巨人」との争いを避け、海外に進出することにより「流通業におけるソニー」を目指したといわれている。東南アジア、中国、英国、米国など飛ぶ鳥を落とす勢いで、海外へ出店し「日本の流通業の国際化」を担うリーダーとして囃したてられた。
しかし、正確な資料が出てないので限られた資料でしか判断できないが、その経営内容は「ずさん」で、倒産すべくして倒産したものと推測される。ヤオハンは日本国内においては、96年度決算において売上高1600億円、経常利益10億円程度で上位40番目位の中堅小売業に過ぎない。それが、転換社債などにより600億円も資金調達し「関係会社の資金調達の窓口」となっていたのである。積極投資が悪いのではなく、投資に対する「リターン」の意識が低く、「キャッシュフローを最大化する。」視点が欠落していたのではないかと思う。この5月にダイエーグループに対し、基幹店舗16店を331億円で売却しているが、国内においてこの16店舗で売上の4割りを稼ぎだしていたのである。絶対に死守しなければならない「金のなる木」を手放した以上、この日が来るのは時間の問題だったのである。
企業は流動性が枯渇した時に倒産する。この基本原則が忘れられ、「出るところ」を抑える前に、「入るところ」を手放してしまったのである。もっと冷静に戦略的に考えるなら、いずれ来る転換社債の償還へ向けて高株価維持のための手だてを打つか、間接金融のための事前交渉を行えたはずである。今回のケースをみていると、そういった次善策を打つことなく、倒産へ突き進んでいったように思えてならない。
ワンマン経営が意志決定のスピードという面で「悪い」とは思わないが、この会社には「客観性」と「透明性」をもたせる仕組が存在しなかったのだろう。かつて田原総一郎が、海外進出の経緯をインタビューしたとき、和田氏は「神様のお告げがあった。」といったそうである。これが事実なら、投資家も身を粉にして働いた社員も、たまったもんじゃないと思う。
起業家であれば、「当て」が外れることは、往々にしてある。倒産するかもしれない瞬間に遭遇することだってあると思う。 しかし、戦略マインドをもった「冷静」な起業家なら、恥も外聞も捨て、 このような「決定的事態」 に至る前に「ごめんなさい」と軌道修正するのではないだろうか。ヤオハンジャパンが残した教訓は、「いつでも頭を下げられる勇気」なのかもしれない。

2003/09/17

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