税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

vol.14「黒船がインターネットに乗ってやってくる!」

クリントン米大統領は去る7月1日、インターネットを使った電子商取引(エレクトロニックコマース)の包括的な振興策を発表しました。
これは、ネット上で国境を超えて取引される情報、ソフトの取引を非課税とする「インターネット自由貿易圏」といわれる構想です。
現状はほとんどの国で国境を超える取引があった場合、関税の課税対象であるものの、補そくが難しく自己申告に頼っているのが実情です。
例えば、米国からインターネットを通じてソフトを販売した場合、現実には、日本の大蔵省は消費税をとることが困難です。したがって税制上は「ざる状態」に近く、関税撤廃はそれ程の意味をもたないものと思われます。
むしろ本当の狙いは、もう一つの骨子であるソフトの著作権保護の枠組みを確立し、米国の輸出拡大をはかろうというものです。これは、アメリカの最も競争力の強い先端分野において国際的な覇権を握ろうと意図しているものと思われます。「コンピューター、音楽、映像、などの各種ソフトウェア、データベース、電子新聞、会計、旅行サービス」などの分野を想定し「囲い込み」を図ろうというものです。
これが実効性を上げれば、本社を米国に移す業者が相次ぎ、日本のネット産業が空洞化すると懸念されています。
しかし、私はこれらが実効性を上げなくても日本のネット産業は空洞化するのではないかと感じています。先ごろ発表された経済企画庁のいわゆる国民負担率の推移をみると、2010年には国民負担率(租税負担率+社会保険料負担率+一般政府財政赤字比率)は52%を超えると予測されています。また、国民負担率の企業版である企業の公的負担率も、95年度版の経団連の発表によると70.2%となっています。これは、日本に本社を置く企業にとって、競争力維持の大きな足かせといえます。
そうすると、今後、あらゆる事業者が、本社をどの国において事業をするのが最も効果的に税金などによる社外流出を抑え、内部留保を図ることができるか真剣に考えるようになるでしょう。そして、その中でもネット産業は最も簡単に本社をどこにでも移動できるため、最も早く空洞化するのではないかと思います。彼等にとっては、通信技術の発達により本社をどこに置くかは大したことではなく、外国から日本へ向けて商売をするほうが有利だと判断すればいち早く外へ出て行くことになるでしょう。
ベルリンの壁の落とし子である「インターネット」が、黒船となって日本を襲う日はそこまでやってきているのです。

2003/09/17

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