税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

ブランドはAIでは作れない

 長く続いている利益体質の会社には、お客さま目線に立ち、お客さまとの良好な関係性を維持する優秀な社員たちが存在します。

 これは一般消費者を扱っているB to Cと言われる業界だけでなく、企業との取引をしているBto Bの業界であっても同様であると感じています。

 そして、何より大切だと思うことは、そういった優秀な社員を惹きつける会社には、腑に落ちる崇高なミッションが存在し「なぜ私たちは存在するのか?何をお客さまに提供すべきなのか?そのために私たちにできることは何か?」を常に問いかけ、それらを血肉化するレベルまで浸透させていることです。

例に挙げると、グローバル企業で恐縮ですが、スターバックスでは自社のミッションを以下のように掲げています。

「『最高』のコーヒー体験を届けるかけがえのない存在となり、人々の心を豊かで活力あるものにするために-一人のお客様、この一杯、そしてひとつのコミュニティーから」

そして、会議室に飾るだけの形式的なものでなく、血流のように生きた言葉として組織に浸透しています。(スターバックス コーヒー ジャパン CEO森井久恵)

 皆さんが「スターバックス」と聞いたとき、単に「コーヒーを売る店」とは思いませんよね。「サードプレイス(第3の落ち着く場所)」「おしゃれな空間」「親切な店員さん」といった、ポジティブな感情や空気感がセットで思い浮かぶはずです。

この「心の中のイメージ」こそがブランドの本質であり、超過収益力の源泉になるのです。

こういったブランドは、一朝一夕にして作り上げられるものではなく、長年にわたって蓄積された、お客さまとの信頼関係が土台となっています。

これは、特に大企業だからできたのではなく(むしろ、その蓄積が大企業へと発展させた)中堅、中小企業においても、社員一人一人が自社のミッションを意識しながら、お客様にわが社がどのような価値を提供すべきかを常に問いかけ、日々の行動に反映させることで実現できるものです。

AIの台頭により、多くの仕事が淘汰されるだろう時代が、すぐそこまでやって来ておりますが、お客さまとの関係性から作り上げられる「ブランド」は、AIに取って代わられることは、ないだろうと思います。

「マーケティングとは競争優位を築くための長期投資である。」と定義するなら、即効性のある広告宣伝や、その他の投資ではなく、ブランドを作り上げるための投資、とりわけお客さまとの関係性を深化させる投資を最優先にするべきだと思うのです。

祇園祭のお囃子に耳を傾けながら、ブランドはAIや広告では作れないことを自覚し、自社のブランドを長期目線で作るための投資を考えている暑い夏の夕方です。

令和8年7月16日

アイネックス税理士法人

代表 川端雅彦

京都・大阪の税理士ならアイネックス税理士法人

2026/07/16

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