アイネックススタッフ日誌

I-NEX STAFF DIARY

遺言書の付言事項を知っていますか?

突然ですが、タイトルに記載した「付言事項(ふげんじこう)」をご存知ですか?

遺言とは、ご存知の通り自分が亡くなったあと、自分の財産を誰にどう残すのか、どのような形(名義変更なのか換金するのか)で残すのか意思表示するものです。

2020年7月より自筆証書遺言(自分で書いた遺言書)を法務局で保管する制度が始まり、以前よりも遺言書が身近になったかと思います。

そこで、より身近に遺言書を感じていただくため、付言事項についてお話したいと思います。

私はこれまでに携わった相続税申告の総申告数も100件を超えました。

相続税の申告をするには相続財産の確定と相続財産の遺産分割が必要であり、ご相続人間の話し合いが必要ですが、遺言書があれば遺言書記載通りに分割するので、ご相続人間の話し合いは不要になり、遺産分割手続きと相続税申告はスムーズに進み、ご相続人にかかる負担はとても少なくなります。

財産を残す方も、自分の財産がきっかけで揉めてほしくないですし、円満に相続されることを望んで作成されるのですが、遺言内容は、財産が多くもらえる人、逆に少ない人、または等分に・・・など「想い」はいろいろで書き方次第ではかえって揉めるケースがあることも・・・。

ご生前にご苦労をされて一代で財産を築かれた方、または親の代から引き継いだ財産を大事に存続されて次の代まで守り続けられた方、こつこつと貯蓄や投資を繰り返して財産を築かれた方など様々な方が遺言書を遺されています。

私が実際にみた遺言書のほとんどは、「不動産は〇〇に」「預貯金は〇〇と●●とで等分に分けて」など、財産の分け方のみを書かれているのですが、最後の付言事項を利用して「なぜこのような分け方になったか」「次の世代にどのようにこの財産を活かしてほしいか」「生前、自分は子供に介護を受けてとても幸せだった」など理由だけでなく、希望、感謝の言葉を遺言書で伝えていました。

次に実際に私が拝見した遺言書の付言事項の例を記載します。


例①

「この遺言を見て、財産を少なくもらう二女はきっと不服に思うだろう、だけど二女には生前たくさんの援助を行ってきて既に十分な額を渡している一方、長女には早く遠くに嫁いでしまったので同じように渡すことができていなかった。〇〇銀行の預貯金については次女に渡した金額と同等の額を遺したので全額長女に渡してほしい。二人の子供は私にはどちらも同じくらい大事な娘だから平等に分け与えたい。どうか理解してほしい」


例②

「長男と次男は大学を出て遠方に出てしまったが、三男は家に残って事業を継いでくれました。お父さんの代で終わってしまうのは悔しいので継ぎたいと言ってくれ、本当によく頑張ってくれてとても幸せです。私が引退した後は妻と私の身の回りの世話もしてくれて心身ともに支えになってくれたので本当に感謝しています。自宅と事業に関する財産は全て三男に相続してほしい。長男と次男には三男よりも少なくなるが、その分、精神的な負担も少なかっただろうし自由に過ごせただろう。家や自動車の購入資金、孫の学費の援助もし、困らないようにしたはずなので、どうかケンカせず兄弟仲良く幸せに暮らすことを願っています。」

例②の付言事項の相続の時は、遺言を見るまでは長男と次男は「そんな遺言は無理やり書かせたのに違いない」などと言っていたのに付言事項を見て黙り、遺言通りにスムーズに相続手続きができたそうです。


例③

「私は病気がちで若いころから入退院を繰り返しましたが、妻は最後まで献身的にお世話をしてくれて幸せでした、本当にありがとう。妻には生活に困らないように財産を遺すので、これからは自分の時間を大切にして自分の為に使ってほしいのです。子供たちはお母さんを助けて大事にして家族仲良く暮らしてください。」

例③は、奥様もお子様も「お父さんらしい文章で遺言書を残してくれて嬉しかった。」とおっしゃっていました。


このように、単に分け方だけでなく、どうしてこのように分けたかという理由や、ご生前に言葉にしづらかった想いなどを遺してもらうことができます。

もちろん、公正証書遺言にも記載することが可能(公証人役場によっては文字制限(400字以内等)あり)ですが、400字以内に収まり切れない想いや、既に作成してしまって付言事項を入れなかった方は、公正証書遺言の正本または謄本の封筒に一緒に保管しておけば、遺言書と一緒に見てもらうことができます。

今から遺言書を作成しようとお考えの方、是非付言事項を取り入れて作成してください。

弊社では遺言作成のお手伝い(相続税試算や遺言書作成のサポート)も行っています。

是非お声掛けください。

相続事業承継部 N

京都・大阪の税理士ならアイネックス税理士法人

2023/04/28

  • 相続事業承継チーム(移行予定)

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