税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

vol.30「犯罪者はブタ箱へ入れ!」

・・・火のないところに煙は立たないといわれるが、噂が現実のものとなりました。野沢正平社長の記者会見で流した涙も、社員をはじめ関係者から見れば滑稽に見えたかもしれません。あまりに呆気ない幕切れであり、その経緯を見ると「異常」です。異常というのは、株式市場に「死」の宣告をされるまで山一証券の経営陣から抜本的な対策案が発表されたことはなく突然死を迎えていることです。山一証券という巨人が、なんら治療する様子もなく葬式を迎えたのです。
一体全体この国に何が起こっているのだろうと考えさせられます。この疑問に答える一つのヒントは「今までの日本なら、何とか救済していたかもしれない。」と言及した橋本首相の言葉に見ることができます。今までの日本とは「村社会のルール」であり、行政の考え方でいえば「護送船団方式」です。仲間である限り転んでも起こしてあげましょうという方式です。それと対辞するルールとは最近良く耳にする「グローバルスタンダード」です。これは優勝劣敗のルールであり、勝ち残りたいなら、世間から指示を得なさいというルールです。
こと山一証券が属していた金融の世界は完全にボーダーレスとなっています。外人投資家が日本の株式を自由に売買し、あるいは米国の国債を日本の金融機関が売買しています。日本に金融危機が起これば、世界に飛び火する構造になっているのです。そして、その売買の判断基準は何かいうと「情報」しかありません。売買される金融商品は他のハードと違って、手にとって品質を確認することはできません。したがって、この情報が非常に重要であり、フェアーなルールに基づいて情報を開示しなければ、この世界のプレーヤーとして参加することはできないのです。スポーツでいえば違う国同士が対戦するときに、それぞれの国の異なったルールで戦うことなどありえないのと同じ理屈です。参加するときにその「ルール」を守ることは当り前のことなのです。山一証券はその当り前のことができず、2600億円もの簿外負債を抱え込み、プレーヤーとして土俵からはじき出されてしまったのです。簡単に2600億円といいますが自己資本が4300億円だから、オール5の通知簿が実際はオール2だったようなものなのです。内申書にそんな嘘を書いても、一流の先生が見れば分かるに決まっています。しかも先ほど述べたように、何ら思いきった手を打つことなく最後の取締役会でも「大蔵がなんとかしてくれるのでは」という発言が飛び出たと言いますから、あいた口がふさがりません。これが今起こっている現象の根本であり「村社会」が「世界標準」に突きつけられた新しいルールなのです。
 ここで注意しなければいけないのは「村社会」は恥を恐れるということです。他人に迷惑をかけない恥なら別に隠しても文句は言いませんが、「飛ばし」という法律違反を犯し、2600億円もの負債を隠し不正入学を試み、7500人の社員を一夜の内に路頭に迷わせ、数千億もの特別融資(これは、いったいだれが払うのだ!)を受ける原因をつくった「犯人」をどうするのかなのです。アメリカでも 1985年以降、同じような金融危機がありました。この時期、2000もの金融機関が淘汰されたのです。金融危機を回避するため、公的資金が導入されましたが、その際にこういった犯罪者は「ブタ箱」にぶち込まれました。だから公的資金の導入に国民の合意がとれたのです。そこで、皆さんにお聞きしたい。住専の際も、今回も我々の税金を投入することに同意されましたか?もし同意していないとすれば、これらの行為は「国家的犯罪」だと思いませんか?
日本版ビッグバンのもたらすものは、私たち生活者に、まるでスーパーでショッピングをするように選択の機会を与えてくれる楽しい未来だと思います。しかし、その時に酷税に喘ぎ、財布の中にお金がなければ、どうやってその豊かさを享受できるのでしょうか。冷静に、そして厳しく対応しなければ、とんでもない事態が待ち受けている予感がします。

2003/09/17

  • 雑感

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