税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

vol.27「すべての問題が釘に見える」

企業の情報化投資に拍車がかかってきています。特にビッグバンを控えた金融機関が情報システムに費やす投資額は、昨年の1兆1000億円から今年は1兆3000億円にまで跳ね上がり(日本銀行調べ)、西暦2000年には約4兆円に達すると見込まれているそうです。
これらの情報化投資の背景には、シティーバンクをはじめ外資系の銀行の一顧客あたりの取引コストの格差を埋めるためのものです。情報化投資には、このようにコスト削減を目的としたオペレーションを合理化するためのものと、コミュニケーションを活発化させ、あるいは外部からの情報を取り込んで意志決定を迅速にしたり、イノベーションを促進するものに分けられます。
しかし、いずれにも共通している重要な鍵は、取り込まれた「情報」から何を読み取るかでです。これからの時代は万人に均等に、こういった情報を入手する機会が提供されるでしょうが、問題はこれらの一次情報をどのように加工し正しい意志決定を行うかということにあります。たとえばコンピューターによる販売データーから、ある商品が売れなかったという情報があった場合、「これは死に筋だ。」という判断をするなら、コンピューターでもできるわけです。洞察力のあるプロといわれる人なら「なぜ」という疑問符をぶつけ、値付けがおかしいのではないか、あるいは陳列が不適切ではないかと実際に現場へ行き、しかる後に最適な意志決定を行うでしょう。私の経験では、学校秀才といわれる人ほど前者のパターンをたどることが多く、どちらかというと先入観を立証するために情報を活用しています。彼等にとっては情報は与件であり、その裏に潜む力学に焦点を当てる前に考えることをやめてしまうのです。
松下幸之助のいう「とらわれない素直な心」をもち、いろいろな切り口で情報を加工するという非常に基本的なことがことが、情報化社会においても求められています。また、ネットワークにおいてはコミュニケーション能力が非常に重要になってくると思います。私共も、日々様々な経営者とお話しし、いわゆる外部からいろいろな情報を得る機会があります。ところが、その方々から得る情報は各会社個別の「ある前提条件」が隠されています。したがって、それを鵜呑みにして組織の構成員に共有化しようとしても「普遍性」のあるものにはならず、必ず二次加工して他に伝える必要が生じて来ます。つまり、ロジカルに考え正しく伝えるコミュニケーション能力が要求されてくるのです。いずれの場合においても情報化が全ての問題を解決してくれるものではなく、情報化は手段が高度化したものとして捕え、これに自分の頭をどれだけ柔軟に使うことができるかが今後生き残れるかどうかだと思います。
「手に金槌しか持っていない人は全ての問題が釘に見える」のは、昔も今も将来においても共通する真理なのではないでしょうか。

2003/09/17

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