税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

vol.43 「夜明け前」

残された700日
新年明けましておめでとうございます。1999年も幕が明け、いよいよ21世紀まで700日余りとなってまいりました。
おそらく、日本の産業界にとって、そして、日本国民にとって、この700日間は戦後50年間体験したことの無い、最も過酷な日々になるに違いないと思います。
1999年は、金融システム不安や、リストラ進行に伴う失業率の増加など、将来に対する不安要素が加速し、消費不振は当分この傾向が続くものと思われます。いわゆるデフレスパイルが続き、企業の収益性の足を引っ張ることになるでしょう。
このような環境下では、おそらく唯一無二の独自性の無い商品を提供する企業は、無駄な経費をどう削減するかという後ろ向きの対応を余儀なくされることでしょう。ところが、私共のクライアントでも、歴史のある会社ほど、雇用維持とかつての成功体験の延長線上に将来を描くという「タブー」を抱えており、人件費削減に大胆なメスが入らず、コスト削減も限界が目の前まできています。
もちろん、リストラとは「事業の再構築」で、その意味するところは、積極的な攻めの経営であり、新規事業分野の創出、あるいは成長事業分野に打って出ることにより、新たな雇用を作り出せれば問題はありません。
連続する環境変化
なぜ、今からの700日が最も過酷な日々になるかというと、2001年までに様々な制度改正が控えているからです。一見中小企業には関係が無いように感じるかもしれませんが、日本の産業構造からして、大きな影響を間接的に受けるものと思われます。
年内においては、商法改正により持ち株会社制度が本格導入されます。これにより、エム・アンド・エーが活発化し産業再編が加速されます。ある日突然、受注先が別の会社に買収され、買収した会社から取引停止の通告を受けるかも知れません。また、その逆も起こりうるでしょう。
借金の多い企業や個人も国債の大量増発による長期金利の上昇に気をつけなければなりません。
2000年当初には、コンピューター2000年問題が控えており、誤作動による業務ストップの危険性が高まっています。
さらに、3月からは連結会計が新会計基準として採用されます。グループ会社を多く抱える親会社は、これまで、不良資産を子会社に押し付け、決算を取り繕っていましたが、これによりその封印が解かれることになります。その他、企業年金や退職金などの積み立て不足の開示、債務保証予約の開示、その後引き続いて、デリバティブの時価評価による巨額損失の露呈など待ったなしの状況に追い込まれ、株価暴落、失業の大量発生が現実のものとなるかもしれません。
2001年3月にはペイオフが解禁となり、さらにその年、郵貯の定額預金の大量満期が到来し、郵貯の運用先の不良債権が露呈、長期金利が急騰する可能性もあります。
先手を打つ者のみが味わえる果実
これら想定される事態に対し、危機感が薄く、「何とかなるだろう」と問題を先送りしている状況には驚かされます。先述した通り、この事態は「待ったなし」であり、今犠牲を払ってでも、早急に対処し文字通りリストラ・事業の再構築をしなければいけないのです。逆説的に言うと、今、これらに前向きに勇気を持って対処した企業経営者やサラリーマンが、次に到来する成長の果実を味わえるのです。大きな環境変化が起こるときには必ずビジネスチャンスが到来するのです。
少々悲観的な将来予測ですが、悲観的に楽観視する態度で今からの700日を乗り越えなければなりません。私はサッカーが好きですが、サッカーの諺に「攻撃は楽観的に期待して、必ずパスがくるものと信じて動き、守備は抜かれるかもしれないと悲観的に考えて守れ。」と言うものがあります。
夜明け前が最も暗いのです。朝日に向かって思いっきり息が吸えるように「今」がんばらなくてはなりません。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

2003/09/17

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