税理士川端雅彦コラム

KAWABATA MASAHIKO COLUMN

vol.39 「日本"国会"発」の世界同時不況」

1995年1月17日に発生した阪神大震災から、早くも3年超の時が経過したが、その年の通常国会で成立した震災関連の法律は全部で21本ある。しかも、提出された日に成立した法律が5本もある。
趣は異なるが、 国家の非常事態という観点から見ると、現在の金融危機の状況は極めて類似している。経済危機下のスピード立法では、1973年の石油ショックの際、時の田中内閣は、石油需給適正化法案と国民生活安定緊急措置法を急遽立案し12月7日通常国会に提出、同年度中に可決成立している。
法案づくりを始めてから可決成立までが、約1ヶ月ほどのスピードで対応している。同じような例は、1927年の金融恐慌の際にもあるようで、中曽根元首相は「人身を動揺させまいと、臨時国会は4日間で重要法案を成立させた。反対党の方が多かったが、国家非常事態を見て、賛成に回った。〜我々が真似することはこのことだ。」と語っている。
考えてみれば、現在国会で審議中の金融再生関連法案の国会提出日は8月5日であり、ブリッジバンク導入を政府・自民党が正式決定したのは7月2日とかなり前である。国会は、相対立するテーマについては合意形成に十分時間をかけ、議論をやり尽くすことが重要である。
ところが今、国会で金融再生に関する議論がされる度に、株安が進行している。そのことを政治家の人たちは理解しているのだろうか。どんな形であれ、金融システムを守るためには、国民にツケが回ってくることぐらい、既に国民は知っているのである。しかしここに至って、国会で合意が形成されないのは、情報開示とそれに伴う「けじめ」がきちんと担保されていないからではないだろうか。
国民の税金を山盛り使う程に、不祥事をしでかした人たちの尻拭いを、罰を与えることなしに許すわけにいかない!と怒っているのではないだろうか。なるほど、情報開示をすると不安が一気に現実化し、大手銀行の破たんが金融恐慌の引き金を引く、だから金融システムを守る為に公的資金を導入するという理屈は、一見説得力はある。
しかし、金融システムを守るのは、公的資金だけでなく、それを裏付ける「政治のリーダーシップ」がなければ十分だとは言えない。金融の基本は「信用」であり、政府に信用がないから今日の状況に至っているのではないだろうか。ここまでくると、情報が開示できないのは、政治家自身に火の粉がかかってくるからできないのではないかとすら思えてくる。
国民は、与野党の合意を急ぎ、金融危機の回避と景気回復を真に願ってはいる。しかしそのことで、膨大なツケを後生に回すことは、やめてほしいと願っていることだろう。大事なことは、後生にそのツケを回さず、今苦しい思いをすることが、明るい近未来を作ることにつながるのだと、ハッキリと言えるリーダーシップでなかろうか。自分のけじめは自分でつける。「日本国会発」の世界同時不況だけは絶対避けなければならない。

2003/09/17

  • 雑感

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