アイネックススタッフ日誌

I-NEX STAFF DIARY

中小企業の倒産分岐点(丸本)

リスクカウンセラーとして中小企業の倒産回避支援をおこなう著者が、20数年の経験をもとに中小企業が倒産に陥る事例を中心にその回避策を解説しています。



経営危機から家族を守る失敗から学ぶ中小企業の倒産分岐点

細野 孟士 / 大蔵財務協会




総頁数296ページのうち、約100ページを割いて著者が立ち会った倒産の事例を紹介しています。いずれも中小零細企業が陥りそうな事例ばかりで、ちょっとした経営判断の誤りが積み重なり倒産に至った経緯が簡便に書かれています。会計事務所スタッフとしてこれらのアラームをもれなく察知し、勇気をもって方向転換を助言することの重要性を感じさせられることばかりでした。

良い倒産と悪い倒産が書かれており、著者は「倒産させる経営者」と「倒産した経営者」と表現しています。前者が自分の意思で幕を引いた経営者であるの対して、後者は気がつけば倒産しか選択肢がなかった経営者を指しています。

そこに至った背景を著者が次のとおり分析しています。

善い倒産の背景として
・経営危機をいち早く察知し専門家に相談している
・経営者が心身ともに健康である
・経営者の家族の結束が固く、家族を守る備えがある
・会社の正確な資産負債が把握できている
・親戚、友人からの借入がない、保証人になってもらっていない
・第3者にかけた迷惑を十分に反省している

悪い倒産の背景
・財務諸表が真実でない
・経営者が真実の決算数値を把握していない
・経営者が心身ともに疲労困憊している
・親しい周辺の人から膨大な借入をしている
・原因を他人に押し付けて反省の意思がない
・詐欺まがいの行為で倒産回避をこころみる


平常時には当たり前におもえる上記項目も、経営が傾き倒産の2文字を意識し始めると「悪い倒産の背景」に流されてしまう人の弱さもあると感じました。

そうならないよう、我々会計に携わる者が経営者のよき参謀役として、正確かつ迅速に経営情報を提供し、経営者が勇気ある決断ができる経営環境をつくりだすことの重要性をあらためて強く感じました。

本書は、中小企業の経営者よりも、会計事務所で働く者がその重責を感じるために読むべき内容です。



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2010/05/24

  • 読書発表・本紹介

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