アイネックススタッフ日誌

I-NEX STAFF DIARY

キャッシュレス全盛期における新紙幣の意義

皆さんご存知の通り、2024年7月3日より新紙幣が発行されました。

もう二ヶ月も経っているのに、新紙幣をあまり見る機会がないのは、キャッシュレス化の影響でしょうか。

日本では従前より、概ね20年に一回の頻度で紙幣のデザインが一新されてきました。これまでは、偽造防止が主な目

的だったようですが、今回の新紙幣では偽造防止に加え、「ユニバーサルデザインへの対応」という新たなコンセプト

が存在するそうです。

一見、何のことかと思いましたが、新紙幣では指で触って券種を識別できる識別マーク、額面数字の大型化、ホログ

ラムとすき入れの形や配置を券種ごとに変更するなど、目の不自由な方やインバウンドで日本を訪れる外国人の方々

にも識別しやすくする工夫が取り入れられているそうです。確かにこれは、一昔前であれば画期的な変更とも言える

のですが、現在の諸外国では日本よりも圧倒的にキャッシュレス化が進んでいるため、外国人の方々が日本で紙幣を

使う機会がそんなにあるかなぁ?というのが私の率直な思いです。


また、新紙幣の発行に伴い、「1.6兆円」の経済効果があるというニュースを目にしたことがある方もおられると思い

ます。これもちょっと眉唾だったので、少し調べてみると・・・

新紙幣の発行のために、日本銀行はデザインや偽造防止策について相当な研究費を要すること、また実際の発行のた

めに新しく印刷機械を購入する必要があること、金融機関ではATMなどの機械を一新する必要があること。民間企業

はレジや自動販売機等を買い替える必要があるなど、これらに必要な費用の合計が1.6兆円という金額の根拠なのだそ

うです。個人的には、これを「経済効果」と呼ぶことには疑問を感じます。この特需に恩恵を受けている人もいるで

しょうが、将来的にはこれを回収するために、広く薄く長期間に亘って我々民間人が少しずつそれを負担することに

なるのでは・・・?

また、小規模な小売店にとっては、レジの買換は痛手です。新紙幣対応の機械が導入できない場合は、一昔前のアナ

ログなレジに戻さざるを得なくなるでしょう。日本では紙幣に対する法的な保護が強く、「現金お断り」とはなかな

か出来ないのが現状です。

総じると、個人的には今回の新紙幣の発行は意義が不十分であり、物価高に更に拍車をかけてしまうのではないかと

いう不安でいっぱいです。皆さんは、どのようにお感じでしょうか?


※旧紙幣も引き続き効力がありますので、「旧紙幣が使えなくなる」という詐欺にはご注意ください!

・現在発行されていないが有効な銀行券・貨幣

日本銀行HP:https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/note/valid/past_issue/index.htm

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2024/09/08

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