定期金の経過措置期間中の評価が明らかに【相続・贈与税】
2010年05月31日更新定期金の経過措置期間中の評価が明らかに
平成23年3月31日までの契約変更は、解約返戻金や一時金による評価となります。
Ⅰ.定期金評価の見直しとは?
平成22年度の相続税法の改正により、定期金に関する評価方法が見直されました。
定期金の評価とは?
相続税24条に規定されるもので、簡単に言うと、相続において保険契約等を基に
した年金等を受ける権利(受給権)をどう評価するかというものです。
従来、定期金給付事由が発生している有期定期金については、その残存期間に応じ
給付金総額の20%~70%で評価するとされていました。
しかし、実際の解約返戻金や一時金と評価額の乖離が問題視されてきました。
今回の改正により、今後は解約返戻金や一時金相当額で評価されることになり、
平成23年4月1日以後の相続・贈与から適用となったものです。
ただし、これは経過措置設けられ、次のようなものでした。
〇 平成22年3月31日までに締結された定期金給付契約
〇 平成22年4月1日から平成23年3月31日の間に相続などで取得するもの
⇒ 改正前の評価を適用
この改正前の評価をうけるべく、駆け込み的な契約をされた方も見受けられたようです。
Ⅱ.経過措置期間中の契約変更の取扱いが明確化された
ところが、このたび公布された政令による経過措置では、以下のようなものでした。
〇 平成22年3月31日までの定期金給付契約であっても、
〇 平成23年3月31日までの間に、契約変更があった場合
⇒ 改正後の評価を適用
この契約変更は、軽微な変更の場合を除いた契約者や定期金受取人の変更などを指します。
つまり、平成22年3月31日までの契約でも、経過期間中に受取人を変更などした場合は、
その解約返戻金等による評価を受けることになります。
取り扱いに充分ご注意ください。
次回は、「小規模宅地特例の見直しと相続税への影響」についてご紹介します。
事業承継 Ⅵ【相続・贈与税】
2010年04月01日更新事業承継のための金融支援措置について
Ⅰ 金融支援措置
金融支援措置とは、代表者の死亡や退任により事業承継を行うにあたり、経営の円滑な承継のため、
資金が必要になる際に一定の要件の元、金融の支援を受けることができる資金融資制度です。
Ⅱ 金融支援措置の種類
1 中小企業信用保険法の特例
経済産業大臣より『事業承継関連資金が必要な会社である』認定を受けた中小企業者
(以下『認定中小企業者』という。)が事業承継に必要な資金の借入を円滑に行えるように、
信用保証協会の債務保証制度について、これまでの保証限度額とは別に以下の特別枠
が設けられました。
保証の限度額 特別枠の限度額
普通保険 (2億円以内) (2億円以内)
無担保保険 (8,000万円以内) (8,000万円以内)
特別小口保険 (1,250万円以内) (1,250万円以内)
これにより認定中小企業者は金融機関から融資が受けられやすくなりました。
(1)対象となる融資の資金使途
・法人が自社株を買い取るための資金
・法人が事業用資産を買い取るための資産
・法人の運転資金(下記事由による)
①代表者の死亡又は退任後3ヶ月間の売上が前年比80%以下
②借入金や未払金の返済のための資金
③借入総額のうち借入比率20%以上の借入をしている金融機関から借入条件の悪化、
借入金額の減少等の支障が生じた
2 日本政策金融公庫の特例
平成20年10月1日から認定中小企業者の後継者である代表者個人に対して、
事業承継に必要な資金の融資が特例で認められるようになりました。
(1)対象となる融資の資金使途
・承継代表者が他の株主から自社株を買い取るための資金
・承継代表者が事業用資産を買い取るための資金
・事業用資産を相続、受贈した場合の相続税・贈与税の納税資金
Ⅲ 特例を受けるための手続
①経済産業省に『事業承継関連資金が必要な会社である』認定を受ける申請
②認定日から1年以内に金融機関に対する融資や保証の申込み
事業承継 Ⅴ【相続・贈与税】
2010年03月15日更新事業承継税制 ~納税猶予制度の手続き~
非上場株式の納税猶予を受けるには何をしなければならないか?
納税猶予を受けるためには、相続・贈与前、申告期限中、申告期限後の各段階で必要な
手続があります。今回はそれぞれの段階で必要となる手続について説明します。
相続・贈与開始前の手続
1、経済産業大臣の確認
経済産業大臣の認定を受けるのに先立ち下記の条件を満たしているかの確認が必要です。
①企業規模の条件…中小企業者であること
②代表者の条件…特定代表者がいること
③後継者の条件…特定後継者がいること
※ 但し、相続で定の要件を満たす場合には、当該確認が不要となることがあります。
2、相続・贈与税の申告期限中の手続
経済産業大臣の認定
相続開始から5ヶ月以内、贈与の場合は贈与の翌年の1月15日までに経済産業大臣への
認定申請をしなければなりません。
要件については事業承継Ⅳを参照下さい。
3、経営承継期間中の手続
相続税・贈与税の申告期限の翌日から5年を経過する日又は経営承継相続人等が死亡の日
いずれか早い日までの期間(経営承継期間)中において、毎年1回の「年次報告書」及び「経営
報告届出書」の提出が必要となります。
年次報告書の提出(経済産業省)
相続税・贈与税の申告期限の翌日から起算して1年を経過するごとの日(報告基準日)の翌日
から3ヶ月を経過する日までに、「年次報告書」を経済産業省へ提出します。
経営報告届出書の提出(税務署)
相続税・贈与税の申告期限の翌日から起算して1年を経過するごとの日(第一種基準日)の翌日
から5ヶ月を経過する日までに、「経営報告届出書」もしくは「経営贈与報告届出書」提出します。
4、経営承継期間経過後の手続
経営承継期間の末日の翌日から3年を経過するごとの日(第二種基準日)の翌日から3ヶ月を経過
する日までに、「経営報告届出書」もしくは「経営贈与報告届出書」を税務署へ報告します。
注:経営承継期間経過後は、経済産業省への年次報告書の提出が不要となるため、
届出期限が5ヶ月から3ヶ月へと短縮されるので注意が必要です。
次回は、『金融支援措置』についてご案内致します。
事業承継 Ⅳ【相続・贈与税】
2010年02月25日更新事業承継税制~納税猶予制度の適用要件~
Ⅰ.納税猶予制度の適用を受けるには
相続税・贈与税の納税猶予制度の適用を受けるためには、
以下の要件を満たす必要があります。
Ⅱ.『非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例』の適用要件
1.認定
「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づき
『経済産業大臣の認定』を受けること
2.会社の主な要件
次の会社のいずれにも該当しないこと
・上場会社、中小企業者に該当しない会社
・風俗営業会社
・資産管理会社
・総収入金額、従業員数がゼロの会社
3.先代経営者である被相続人の主な要件
①会社の代表者であったこと
②相続開始直前において、被相続人と同族関係者で総議決権数の過半数を保有し、
かつ、後継者を除いた同族内で最も多くの議決権数を保有していたこと
4.後継者である相続人等の主な要件
①相続開始から5ヶ月後において会社の代表者であること
②先代経営者(被相続人)の親族であること
③相続開始時において、後継者と同族関係者で総議決権数の過半数を保有し、
かつ、 これらの者の中で最も多くの議決権数を保有することとなること
5.書類の提出
相続税の申告期限までに、この特例の適用を受ける旨を記載した
相続税の申告書および一定書類を税務署へ提出すること
6.担保の提供
納税が猶予される相続税額および利子税の額に見合う担保を税務署へ提供すること
以上が、『非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例』の適用を
受けるための要件となります。
Ⅲ.『非上場株式等についての贈与税の納税猶予の特例』の適用要件
1.株式の取得
贈与により、先代経営者である贈与者から、全部又は一定以上の
非上場株式等を取得すること
2.認定
「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」に基づき
『経済産業大臣の認定』を受けること
3.会社の主な要件
「非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例」における会社の要件と同じ
4.先代経営者である贈与者の主な要件
①会社の代表者であったこと
②贈与の時までに会社の役員を退任すること
③贈与直前において、贈与者と同族関係者で総議決権数の過半数を保有し、
かつ、これらの者の中で最も多くの議決権数を保有していたこと
5.後継者である受贈者の主な要件
贈与の時において、
①会社の代表者であること
②先代経営者(贈与者)の親族であること
③役員等の就任から3年以上を経過していること
④後継者および後継者と同族関係者で総議決権数の過半数を保有し、かつ、
これらの者の中で最も多くの議決権数を保有することとなること
6.書類の提出
贈与税の申告期限までに、この特例の適用を受ける旨を記載した
贈与税の申告書および一定書類を税務署へ提出すること
7.担保の提供
納税が猶予される贈与税額および利子税の額に見合う担保を
税務署に提供すること
以上が『非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例』の適用を
受けるための要件となります。
次回は、『納税猶予制度の適用を受ける際の手続』についてご案内致します。
事業承継 Ⅲ【相続・贈与税】
2010年02月12日更新事業承継税制~納税猶予制度の創設~
1.納税猶予制度の創設
これまで中小企業は、事業承継の際の相続税の負担が大きな問題となっており
ました。
そこで、相続税の負担を軽減するため
・中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律 (以下「円滑化法」という。)
・平成21年度税制改正
により、非上場株式にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度が創設されました。
2.納税猶予制度の概要
(1) 相続税の納税猶予とは
①概要
後継者である相続人が、非上場会社を経営していた先代経営者(被相続人)から
相続によりその保有株式等を取得して、事業を継続していく場合に、後継者が納付
すべき相続税額のうち、保有部式等の課税価格の80%に相当する相続税額につい
ては、その後継者の死亡等の日まで納税が猶予されるというものです。
ただし、相続前から後継者が既に保有している議決権株式等を含め、発行済議決権
株式総数の3分の2に達するまでの部分に限ります。
②いつから適用?
相続税の納税猶予制度は、平成20年10月1日以後の相続等について適用されます。
(2) 贈与税の納税猶予とは
①概要
後継者が、円滑化法に基づく経済産業大臣の認定を受けた非上場会社の代表権を
有していた親族から、贈与によりその保有株式等の全部を取得した場合には、一定
の株式等の贈与に係る贈与税の全額の納税が猶予されます。
ただし、贈与前から既に後継者が保有していたものを含めて、発行済議決権株式等
の総数等の3分の2に達するまでの部分が上限となります。
②いつから適用?
贈与税の納税猶予制度は、平成21年4月1日以降の贈与からの適用されます。
(3)適用を受けるための注意点
① 納税猶予制度は要件・確認事項が多くあるため、見落とさないように注意が必要です。
② 納税猶予の割合が異なります。
相続税 ・・・ 株式総数の2/3に達するまでの部分について、課税価格の80%
に対応する相続税
贈与税 ・・・ 株式総数の2/3に達するまでの部分について、贈与税の全額
③相続税の計算時には、贈与税の納税猶予を受けた株式も相続財産に含めて計算が
行われます。
次回は、納税猶予制度の適用を受けるための要件についてご案内致します。












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