事業承継 Ⅲ【相続・贈与税】

2010年02月12日更新

事業承継税制~納税猶予制度の創設~

1.納税猶予制度の創設

これまで中小企業は、事業承継の際の相続税の負担が大きな問題となっており
ました。

そこで、相続税の負担を軽減するため

・中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律 (以下「円滑化法」という。)

・平成21年度税制改正

により、非上場株式にかかる相続税・贈与税の納税猶予制度が創設されました。


2.納税猶予制度の概要

(1) 相続税の納税猶予とは

①概要

後継者である相続人が、非上場会社を経営していた先代経営者(被相続人)から
相続によりその保有株式等を取得して、事業を継続していく場合に、後継者が納付
すべき相続税額のうち、保有部式等の課税価格の80%に相当する相続税額につい
ては、その後継者の死亡等の日まで納税が猶予されるというものです。

ただし、相続前から後継者が既に保有している議決権株式等を含め、発行済議決権
株式総数の3分の2に達するまでの部分に限ります。

②いつから適用?

相続税の納税猶予制度は、平成20年10月1日以後の相続等について適用されます。

(2) 贈与税の納税猶予とは

①概要

後継者が、円滑化法に基づく経済産業大臣の認定を受けた非上場会社の代表権を
有していた親族から、贈与によりその保有株式等の全部を取得した場合には、一定
の株式等の贈与に係る贈与税の全額の納税が猶予されます。

ただし、贈与前から既に後継者が保有していたものを含めて、発行済議決権株式等
の総数等の3分の2に達するまでの部分が上限となります。
 
②いつから適用?

贈与税の納税猶予制度は、平成21年4月1日以降の贈与からの適用されます。


(3)適用を受けるための注意点

① 納税猶予制度は要件・確認事項が多くあるため、見落とさないように注意が必要です。

② 納税猶予の割合が異なります。

  相続税  ・・・  株式総数の2/3に達するまでの部分について、課税価格の80%
             に対応する相続税

  贈与税  ・・・  株式総数の2/3に達するまでの部分について、贈与税の全額

③相続税の計算時には、贈与税の納税猶予を受けた株式も相続財産に含めて計算が
 行われます。

次回は、納税猶予制度の適用を受けるための要件についてご案内致します。