改正される企業会計の棚卸資産の評価損は税務上も計上できる!?【法人税】

2007年10月19日更新

平成20年4月1日開始事業年度より、企業会計上の棚卸資産の評価方法が低価法に一本化されました。
今回は企業会計の改正と税務上の棚卸資産の評価方法に与える影響について説明します。

企業会計上の棚卸資産の評価方法~低価法に一本化~

企業会計では棚卸資産の評価方法が低価法に一本化され、原価法は企業会計上廃止されました。
企業会計上の低価法は
平成20年4月1日以後開始事業年度から仕入原価と正味売却価額を比べ、いずれか低い方が期末棚卸資産の評価額となります。

税法上の棚卸資産の評価方法~原価法も残存~

税法上は原価法・低価法の選択適用が認められています。
税務上の低価法は
仕入原価と期末の時価を比べ、いずれか低い方が期末棚卸資産の評価額となります。( 法令28①二 )

企業会計上の正味売却価額と税法上の期末の時価との関係は?

企業会計上の時価である正味売却価額とは
「売価-見積追加製造原価-見積販売直接経費」(会計基準5)によって求められます。

税法上の時価である期末の時価とは
税法上明確な定義が設けられていませんが、一般的には正常な取引条件により第三者間で取引された場合の価額と解釈されています。

従って
「正味売却価額≒税法上の時価」となります。

正味売却価額は企業会計基準にしたがって適正に計算されていれば税法上の時価と原則として一致することになり、
低価法適用による評価損が計上できることとなります。


低価法採用時の注意点は?

税法上の時価として正味売却価額を採用する場合、上述のように企業会計基準にしたがって適正に計算されていることが前提となります。
従って税務当局が評価の適正性に疑義を持ち、税法上の時価を是正した場合、申告調整が必要となる点に注意が必要です。
中小企業では原価計算が適正に行なわれていない場合があり、正味売却価額が適正に計算できない場合が考えられます。

また、原価法から低価法へ会計方針を変更する場合、評価方法の変更の承認申請は、新たな評価方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに行わなければならない点にもご注意下さい。